コリドー街

「自分を好きになる力がほしい」

女子ならみんなこう強く思うはずだ。いつまでも強く、可愛く、綺麗に、愛し愛されるべき存在でいたいと。

「わたしは最高に可愛くて最強。」と思うことができれば、この先どうしようもなくなってしまったとしても、自分を助けてくれるお守りになる。

しかし、そう強く思う一方で、理想と現実の間で絶望する。

自己肯定感の低さ故に人見知りが爆発し、いまだに人の目を長時間見られない。見ないといけないときは、鼻を見て誤魔化す。

でも、「自分はどうしようもない」

そんなふうに、いつまでも思い続けるのは、人生が勿体ないとも感じている。そこで、わたしは考えた。

たとえナンパでも、誰かに「可愛い」「素敵だ」と声をかけられれば、少しは今の自分に自信が持てるようになり、自己肯定感が高まるのではないかと考えた。

この記事は、私と同じように「自分に自信がないけど、どうにかして自己肯定感を高めたい!」

そう考えているあなたに向けて書いたものである。「どうせ、ナンパでしょ……」そう思わずに、一度目を通していただけると幸いである。

ナンパスポット「銀座コリドー街」

コリドー街

わたしが身投げ場所としてチョイスしたのは、新橋駅と有楽町駅の間にある繁華街、通称「銀座コリドー街」。数年前から、ナンパスポットとして知名度を上げ始めた街で、新橋付近に勤めるサラリーマンを中心に、ナンパ目的の人が多く集まるとされている場所だ。

わたしがこのスポットを選んだ理由は、「新橋のサラリーマンなら、常識のある普通の男性が多いだろうから、そんな変なことはしてこないだろう」と考えたからだ。

銀座コリドー街には、2週間のうち6日ほど足を運んでみた。

足を運んだのは、月曜日、水曜日、金曜日、土曜日である。日によって、街の雰囲気やいる人の層も違ったので、そこも踏まえて、銀座コリドー街の特徴を紹介していきたい。

初!銀座コリドー街

初めて銀座コリドー街に行ったのは、月曜日の20時頃。会社の先輩とわたし二人だった。

先輩が「離れてみてるから、一人で歩いてみなよ。話しかけられるかも」と提案してくれた。

まじか~と焦りながらも先輩と距離を置いて、有楽町駅側から新橋方面に向かって銀座コリドー街の1本道を歩いてみた。

誰も話しかけてこない

誰も話しかけてこない

あれ……銀座コリドー街は歩いてれば誰でもナンパされると聞いたのだが……

さすがに先輩も引き気味。耐えられなくなったわたしは、先輩のもとに2周して帰還。

先輩いわく、一組ナンパしようとしていた男性がいたようだが、わたしは気づいていない。

ナンパにはカウントできずに終わった。

月曜日に行ったのも悪かったが、後日土曜日に一人で歩いてみたときも、話しかけられなかった。

男性陣も一人ではなく、二人以上で歩いていることが多いので、こちらもそれに合わせて二人以上で行くのがオススメだ。

初日に大コケしたが、何度も通うにつれナンパされるようになった。次に、銀座コリドー街で出会った様々な方について紹介しようと思う。

銀座コリドー街で出会った人たちについて(ヤバイ人編)

1、胸と会話する人

金曜日は、私の友人の中で一番巨乳の女の子を連れて行った。

コリドー街を歩いてまもなく、すぐに後ろから男性に「ねえねえ」と話しかけられた。

振り向くと二人の男性がいたが、彼らの目線は常に彼女の胸を見ていた。

胸と会話

巨乳。たしかに目の前で揺れていればわたしも見てしまう
巨乳。たしかに大きくて柔らかそうで、つい触りたくなる

しかし、わたしはすでに二十歳を超えた成人。 学生時代は、ふざけて触り合ったりいじったものだが、働きに出てからそれを表に出すことはなくなった。

しかし、目の前にいる奴らは ずっとおっぱいと会話をしている。友達の大きい胸を見てばかりで、わたしなど眼中になかった。

友達は丁寧にスマイルで、おっぱいガン見野郎たちを断り、その場を立ち去った。

「おっぱいとしか会話してねーじゃん」 友達は、ぼそっとそう言った 。

彼女はおっぱいも大きく、顔も愛らしい童顔だ。

これだけ容姿が整っているのにも関わらず、乳に向けられた視線には、怒りと悲しみを抱いたようだった。

彼女は、「本当の自分」を見てくれる男性を探しているようにも見えた。

彼女の虚無顔を見て、ナンパでは自己肯定感を高められたとしても、それは表面的なもので、自信をつけるというのは、もっと難しいことなのかもしれないと感じた。

2、終電間際になり、サル化する男たち

夜遅い時間になると、銀座コリドー街はどのような雰囲気になるのか知りたくなったわたしは、金曜日の夜に終電ギリギリの23時半まで、銀座コリドー街に残ってみた。

すると、あたりの雰囲気は一変する。男性陣の強引さが目立ち、街中が騒がしくなってきたのだ。

オフショルをきこなすキラキラ女性グループは、いかにもナンパ慣れした男たちに大声で呼び止められ、通せんぼもされていた。

コミュ障陰キャのわたしには、刺激が強すぎた。怖すぎて下を向きながら足早に歩いたが、後ろを振り向くと一緒にきた巨乳の友人がいない。

後ろを振り向くと、他の男性陣に囲まれて前に進めなくなっていた。

コミュ障は勇気を出して「すいません!!!この子終電あるんで!!!」と叫び彼女を引きずりだして救出。逃げるように銀座コリドー街を抜けて駅に向かった。

このとき、モテるのも考えものだと思った。

3、合コン野郎

彼は、一人で銀座コリドー街の道の真ん中に立ち
キョロキョロとしていた。

怪しかったので、私はついジッと彼を見ていたが、案の定ロックオン。

私と友だち(その時は友達と二人でいました)に近寄ってきて彼は開口一番

「ねえ!!合コンしない!???」と言ってきた。

いやお前一人しかいねーじゃん!!!??合コンの意味知ってるぅ〜???

と思ったが、詳しく話を聞いてみた。
すると、友達とぼっち合コンマン合わせて男性四人と後日合コンしてくれる女の子を、銀座コリドー街で探していたようだった。

なるほど、たしかに銀座コリドー街にきている女の子は男性とワンチャンねらいにきている子が多いので、合コンにも来てくれそうだ、私なんかよりずっとかしこいと思った。

面白かったので、連絡先交換したら

合コン

後日こんなLINEが…最後まで、合コン合コンうるさい人だった。銀座コリドー街に行く際は、一人でうろついている男性には要注意である。

※結局合コンには行っていない。

銀座コリドー街で出会った人たちについて(良い人編)

銀座コリドー街には、以上のように危ない人もたくさんいるが、良かったと思う出会いもあった。

今回は、ステキな出会いだったと感じた人たちのことをいくつか共有したい。

1、自分に似た属性の人を発見

わたしと友人に話しかけてきたのは、メガネの地味な男性と明るそうな営業マン風の男性だった。

むしろどこか垢ぬけてない彼ら見て「これはイケるぜ!!!」となぜかわたしは、上から品定めし始めた。

コミュ障の根本に、自己肯定感の低さとあるが、そもそもコミュ障とは、自分を客観的に捉えられないが故に発動するものでもある。

自分が他人にどう思われているのか、自分で考える力が欠如しているのだ。

このときのわたしは、逆に自己肯定感が上昇し周りを見下すモードに入っていたように思う。我ながら、人として終わっている。

私たちは、彼らに連れられるがまま、スタンディングのバーに入り、ドリンクを片手に簡単な自己紹介から始めた。

彼らは、銀座コリドー街で仲良くなった飲み友達らしいとわかった。

スタンディングバーでは、隣にいる人に男女問わず、気軽に話しかけられる。彼らも、同じ店に入り、偶然隣にいたことから、会話をするようになり意気投合したそうな。

この話を聞いて、銀座コリドー街に対してのイメージが少しポジティブなものになった。

そして、わたしも彼らに続き自己紹介をする番になった。

いざ、自分を語れと言われると、どもってしまった。これが、コミュ障である。

無言でいるわけにもいかず、とっさに守りにはいった私は

「わたし、こんなところに来ていますが、オタクで陰キャなんです!!」と口にしてしまった。

隣にいた友達はドン引きだった。

しかし、彼らは「まじで!!??俺も陰キャだよ~!」と言ってくれたのである!

まさかの仲間だったのである。とても嬉しかった。

そこからはアニオタ話に花が咲き夢中で趣味の話をしてしまった。

気が付けば、友達を置き去りにして「機動戦士ナデシコ」や「ときめきメモリアル」の話をし、最高のひと時であった。

彼らとは、連絡先を交換し、後日遊ぶ約束をした。

まだ実現できていないが、こんな飲み友達がわたしは欲しかった。自分と同じ属性の人と、銀座コリドー街でも出会えたのだ。

パリピだけが、ナンパスポットにくるのではない。私のように陰キャを脱したくて来る人もたくさんいるのだ。

彼らの存在は、銀座コリドー街への抵抗感を大分崩してくれた。ぜひとも、アニオタの人にも足を運んでもらいたい。

そう思えた出来事だった。大切にしたい。

2、突如現れたイケメンのカナダ人

彼と出会ったのも、上に同じくスタンディングバーだった。

背丈のある若い日本人男性と二人で、わたしと友人に近づいてきた。

二人は職場の同僚なのかと思ったが、彼らも同様にバーで知り合ったらしい。

最初は4人で話していたが、友達が日本人と話し込んでしまい、わたしは外国人と取り残された。弱小英会話しかできないわたしは、なんとか外国人と会話をしようとするが、センター試験のリスニング問題を半分以上とれたことがない私は、彼の言っていることがわからなかった。

しかし、彼が4人で話しているときに自らを「シャイガイシャイガイ!」と称していたので、私は彼の事を奥手なのだと考えていたが、二人でカウンターに飲み物を取りにいったときに、とてもドキッとすることがあった。

4人で話してるときも、友達と日本人が話し込み私と二人になったときも、ほとんどアプローチをしてこなかった彼が、急に私の腰に手を添えてきたのである。

おい二人きりのときは、シャイじゃないのか~!!!

と、とても良い思いをさせていただきました。正直顔が死ぬほどタイプだったので、興奮してしまった。

その後は彼と距離が縮まり、二人でグーグル翻訳を手にしながら会話をして、話が盛り上がった。(スマホをかざしながらの会話だったので、絵面的には少しカオスだったと思うが…)

連絡先も交換し、その後お付き合いをするか否かの話にもなったが、仕事で銀座コリドー街に行っていたこともあり、わたしは返事を返さなかった。もったいないことをしたかもしれない。

しかし、一瞬でも洋画のリア充みたいな気持ちを味わえたので、ステキな思い出となった。

そして同時に、英語が話せなくても気持ちがあれば、グーグル翻訳を手に会話ができることを知り、外国人と話すことへのハードルが大分下がった。良い経験をしたと思う。

この場で断っておきたい。わたしの英語の偏差値は38だ。センター試験のリスニングは、悲しいことに半分以上とれたことがない。

こんな私でも、イケメンの外国人と話せるのだから、銀座コリドー街はステキな場所だ。

偏差値38でも人生はなんとかなるっぽい!

3、性別関係なく優しく道を教えてくれる人々

コリドー街の人たちは、温かい。話しかけてくるのはナンパ目的の人だけ…というわけでもない。

私と友人がお手洗いを探しさまよっていたところ、可愛いギャル二人組が教えてくれた。

他にも、バーで人と話すのが好きなおじさんにも出会った。

彼は銀座コリドー街にとても詳しく、おすすめのバーを教えてくれた。

曜日によって、来ている人の雰囲気が違うことや、「300円バー」という有名なお店は、有楽町側と新橋側に2つあることを教えてくれた。

有楽町側のバーは、さまざまな人が落ち着いた感じで楽しく飲んでいるのが特徴らしい。

一方で、新橋の方へ行くと、若者が多く、コリドーの雰囲気とは少し異なった空気感らしいのだ。

よく言えば、みんなで思いっきり楽しめる空間なのだろうが、たぶんそこはパリピの巣窟で、わたしなんかが言った日には入口に一歩足を踏み入れただけで、跡形もなく心を砕かれる気がした。

しかし、その男性はとても親切で「良かったら案内しようか?」と言ってくれた。

以上のように、コリドー街はナンパ目的以外の優しいひとがたくさんいる。なんだか、街全体が小さな共同体、「村」のような温かさだった。

銀座コリドー街でナンパされて思ったこと

崖から飛び降りるような勢いで突っ込んでみたが、そこは冷たい海水ではなく、もはや「温水プール」レベルで温かった。

 私が壁を作っても、向こうからぶち壊しにくる。そうするとこちらも自己開示せざるを得ない。そうして自分のことを話すにつれて次第に、自分と合う人を見つけられるような空間だった。

とくに女性は、男性から積極的に話しかけてくるので、ある程度は受け身でもうまくいくだろう。

しかし、自分と相性の良い男性と出会いたいのなら、以下の条件で身投げすることをおすすめする。

銀座コリドー街で最高にナンパされる条件

コリドー3

人数:2人 曜日:金曜日 時間帯:21時

このように提示するのは、それぞれ理由がある。

コリドー街では、男性陣も複数で動き女性に声をかけてくる。

その際、最も男性陣の組み合わせとして多かったのが「2人」だ。3人以上で動いている男性陣も、銀座コリドー街にはチラホラいたが、男性が3人集まってガツガツ女性に声をかけるとなると、女性も圧力を感じるようで、断られている場面を何度か見かけた。

次に曜日だ。

金曜日は「華金」とも呼ばれるように、銀座コリドー街に限らず、会社帰りに飲みに行くサラリーマンが非常に多い曜日だ。土曜日も銀座コリドー街にはたくさん人がいるが、金曜日と比べて若者や外国人が多く、街もにぎやかになる。

しかし、一方でめんどくさい人と遭遇する可能性が高く、柄の悪い男性も多い。

金曜日であれば、新橋付近に勤めるサラリーマンが帰りに寄って飲みに来ている場合が多いので、土曜日と比べると良識のある人が多い。とくに、わたしのように、人見知りをしてしまう人は、金曜日に行ったほうが安心して話ができるだろう。

時間帯は、サラリーマンが会社帰りにくることもあり、少し遅い時間の方が話しかけてもらえる。

20時前に集合して友人と軽食を食べ21時頃から銀座コリドー街を歩くとちょうどいい。20時半までの時間帯は、ナンパをしている人よりも普通にお店で飲んでいる人の方が多いので、時間帯を間違えると声をかけられず、逆に自信を喪失して帰る羽目になる。注意が必要だ。

自尊心はどこからやってくるのか

この記事の本筋、ナンパで自尊心(=自己肯定感)は満たされるのか?という問いについてのアンサーを出すならば、それは恐らくNOだ。

胸と会話する男性や終電間際に強引に女性を誘う男性は、声をかける女性に対してみんな口をそろえて「可愛い」「好き」「美人」と容姿を褒め、持ち上げる。

その男性陣を見る度に、巨乳の友人がこぼした「みんな胸しか見てない」という言葉を思い出してしまう自分がいた。

銀座コリドー街で話しかけてきた男性に、「可愛いね」と言われるたびに、心のどこかで少し絶望している自分がいた。

私の場合、ナンパで自尊心が満たさるのは一瞬で、そのあとにやってくるのは、より一層強いマイナス思考だった。

たぶん、ナンパで「君、可愛いね」と言われて「ええ~まじでえ~~!?!?!?やったあ~~~ 」と思い、
その嬉しさが持続し1日中ずっと、スキップしてルンルンでいられるなら、もともと自尊心を自分できちんと持っている人だ。

しかし、ナンパによる絶望と同時に、自尊心は他人に高めてもらうものではなく、内側から、「自分自身の中から」湧き出てくるものなのだと感じた。

銀座コリドー街に行って、わたしはこの「内側から湧き出る自尊心」をちょっとだけ、手に入れることができた気がする。

銀座コリドー街は、自尊心を高める「初心者向け教習所」

ナンパで自尊心を外部から獲得することは、難しい。

しかし、色々な人と話すことで、自分のことを他人に話すことへの抵抗感がなくなる。

そうすると次第に、自分はコミュ障でどうしようもないと塞ぎ込んでいた気持ちが、徐々に開放的になり、「あ、今の自分のこと好きかも」と感じる瞬間が出てくる。

仮に銀座コリドー街で知り合った男性と、その後の関係を築けなかったとしても、その場で緊張せずに自己紹介をしたり、自分の考えを口にし、そのような感覚を一瞬でも味わえたのなら、もうそれだけで100点満点だと、わたしは考える。

逆に見ず知らずの人と話すほうが、バックグラウンドがないので気楽かもしれない。どんどんいろんな人に話しかけて、たくさん会話をして自分に自尊心を身に着けよう。

恋をすることのスタートはまず、自分を好きになる事から始まると考える。

あなたが恋をしたとき、自分が「彼から愛情を受け取るに値する存在」である事、そして「彼に愛情を与えるに値する存在」であると、自分で自分を認めてあげなければいけない。

銀座コリドー街は、そんな自尊心の低い恋愛初心者が、自尊心を高める経験を積むことのできる教習所のような存在だと、私は自分自身で身投げをしてそう感じた。

自分のことが嫌いだ。自信がない。人見知りだ。

そんな悩みを抱える女性にこそ、ぜひ銀座コリドー街をおすすめしたい。

自尊心を高めたあとも、自分と相性の良い男性を見つける「出会い場」としても有効的だ。

この記事を読んで少しでも、多くのコミュ障が、自分を好きになって、人と話すことの楽しさを感じてくれたら最高に嬉しい。

(浅井 准(あさいじゅん)/ ライター)