マッチアップ編集長が語る、マッチングアプリの先にある「恋愛の未来」

マッチアップ』編集長、伊藤早紀さんへのインタビューの最終回。

「出会い」の先端にあるマッチングアプリを見てきた伊藤さんに、「これからの恋愛」について、ざっくばらんに語っていただきました。

マッチアップ編集長が語る、マッチングアプリの先にある「恋愛の未来」
『マッチアップ』編集長・伊藤早紀さん

マッチアップ編集長が思う、仕事と恋愛の共通点

――アプリでマッチングして、会う段階までいくには、何はともあれプロフィールだと思うんです。
でも、みんな「自分の良いところ」を書ききれていないというか……もう少しみんなやりようがあるなと感じています。

伊藤さん:

私もそう思います。それは恋愛だけじゃなくて、仕事も、その前の就活にも全部共通しているんじゃないかなって。

自分の強み・弱みを分析をして、相手はどんな人がいいのか細かく設定する。その相手に対して、「自分の強み」を、うまくきれいに見せるというのが一番大事だと思います。

――そう考えると、就活も就職も仕事も恋愛も一緒ですね、なぜ恋愛だけ別ものと考えられているのでしょう……。

伊藤さん:

ただ、土俵がいきなり変わるとみんな困っちゃうんですよ。

マッチアップ編集長・伊藤さん
「土俵が変わるとみんな困る」と語る伊藤さん

たとえば広告でコピーライティングをやっている人がツイッターの運用をやって、必ずうまくいくかと言えばそうじゃないのと同じで、やはり土俵が変わった瞬間、分からなくなるんですよね。

あとは「恋愛は、仕事のように能動的にやるものではない」と思っていたりとか。

――それはおそらく、親の影響や育った環境のなかで得られた価値観ですよね。
恋愛を積極的にしろとは誰も言わないし、「恋愛の勉強」をさせることもない。親もそんなことは言いませんからね。

伊藤さん:

あとは、人工的にやりたくないみたいなところも大きいと思います。

アプリに登録しながらも、やはり「自然に出会いたい」というのがみんなあるんですよ。

プロフィールも、たまたま登録して、たまたまそうやって書いたら、たまたま出会いました、というものを望んでいるのでしょうね。

――「ありのままの私を見てほしい」という話を、多くの方から伺います。
ただ、現実にはありのままを見てもらうのは難しいし、だからこそ悩むんですよね……。

伊藤さん:

たとえが悪いかもしれませんが、泥だらけの野菜はそのまま食べられないから、ちゃんと洗って、調理して出さないと食べてもらえないんです。

同じように、はじめはきれいに見せないと、どうしてもうまくいかない部分が大きい。

自分の中の「泥のついた部分」を見せるにしても、会って、しばらくして仲良くなってからではないと受け入れてもらえないんです。

――会ったそばから「自分にはこういう欠点はあるけれども、こうなんです」って自分語りばかりされると、大体の人は引いてしまいますもんね。

伊藤さん:

欠点は最初から出さなくていいんです。「欠点」って、相手が自分を好きではなかったら、もうただの欠点でしかないわけだから。

もし、相手が自分を好きでいてくれたら、「ダメなところもかわいい」となるかもしれないですが。

――伊藤さんはそういうアドバイスをよくYouTube等でされていますよね。それで劇的に変わる方もいらっしゃいますか?

伊藤さん:

変わる人と変わらない人がいますね。

プロフィール受けするものを持っていても出せていない人は、「ウケる部分」をちゃんと書いてあげれば一気にマッチングします。

そういう意味でも、正直「モテるためには自分磨きしましょう」っていうのは必要です。

モテる・モテないが見える化している

伊藤さん:

いま、モテる・モテないが見える化しちゃってますよね。

たとえば……一般職のOLの方だったら、その会社の男性ばかり見るわけじゃないですか。

その会社の平均年収が600万だったとすると、相手の男性の平均年収もそれくらいのラインになるはず。

でもアプリをひらくと、年収1000万とか2000万の男性も出てくるわけで……そうすると、あ、こっちもあるんだ、みたいなふうになっちゃうわけです。

さらにモテる世界とか、イイ男・女の感じが見えちゃうから、だから(いま自分がいる)“ここ”で満足できなくなっちゃっているわけで。

マッチアップ編集長・伊藤早紀さん
輝かしいものが見えたら、そこを目指したくなる。それと同じだけ悩みも生まれる

幸せな結婚ができるのって多分、同じ階層同士だと思うんです。

ここだけで、同じ階層同士で出会って付き合って結婚すれば何の問題もないのに、より輝かしい世界が見えちゃうから、自分が今いる世界に目がいかない。

――より輝かしい世界が見えたとして、その「上の世界」の住民って、とても少ないように思いますが……

伊藤さん:

そうなんですよ。数も多くないし、そもそも選んでもらえる可能性も「高い」とは言えないじゃないですか。

だから、「結婚」だけを考えるなら、同じ階層同士が同じ階層しか見えなくて結婚するのが、一番平和なはずなんですけれども、そうもいかないのが現状です。

どうしても「上の世界」の人が良いんだったら、自分をその位置まで上げるしかない。要は「自分磨き」ですね。

本当は、あまりそういうロジカルなものを持ち込んだら「エモさ(情緒的なもの)」がなくなるので、個人的には嫌なんですけど……。

恋愛は今、マッチングするかしないか、モテるかモテないか、結婚したか、していないかみたいな二元論になっちゃっている気がします。

結婚できた人達は良し、それ以外のものは悪みたいな。ではなくて、できなかったそれも楽しいじゃんと思います。

――その背景にある「会える」と「会えない」の裏側にあるストーリーが面白くて、たぶんそれが「エモい」部分だと思うんですけど、そうなってくると、あまり感じられないかもしれないですね。

伊藤さん:

いいねしたか、スキップしたかだけが重要になりますよね。スキップした人のことは覚えていないし、みたいな。

それは良いんですけど……覚えていないほうが心にも健康的だから。良いんですけど、それだから恋愛が楽しくなくなっちゃっているのかなと思って。

――たとえば、「エモい恋愛を促進するアプリ」みたいなものは、なにかあるんですか?

伊藤さん:

アプリなのかはまだ分からないですけど……もし(その恋が)ダメでも、楽しかったなぁで終われば、また恋愛しようとなるはずだし。

たくさん恋愛している人は、結局結婚するじゃないですか。

――それは、たしかにそうですね。エモい恋愛については、それは今後の課題として……伊藤さん、今日は本当にありがとうございました!

伊藤早紀(いとうさき)

恋愛メディア『マッチアップ』の編集長、マッチングアプリソムリエ。

自身も20個以上のマッチングアプリをやりこみ、出会った男性は100人以上。

2018年8月7日放送のAbema Primeにマッチアップ編集長として出演。
2018年の夏に『出会い2.0 スマホ時代の「新」恋愛戦術』を出版。

日々、最旬のマッチングアプリ情報を発信している。

■Twitter ■Instagram

マッチアップ』編集長、伊藤早紀さんへの特別インタビュー企画はこれでおしまい。

これからの恋愛の形を、恋愛を応援するメディアとして、『愛カツ』編集部も見守っていきたいと思います。

(愛カツ編集部)