婚活するにあたり、旦那さんにしたい相手の収入や職業など、彼の仕事にまつわることが気になってきますよね。

恋愛と仕事は、お互いに影響しあっており、共通することがあるのです。

今回は、千葉商科大学国際教養学部専任講師、働き方評論家の常見陽平さんにお話をお伺いしてみました。

結局マッチングアプリは恋愛を救わない

恋愛と就活には、共通して必要な視点が…?

――常見さんといえば、就活の専門家ですが、就活と恋愛の共通点はなんでしょう?

常見さん:面白い話があります。就職の決まり方なのですが、就活の初期段階はたしかにリクナビなどの大手就職ナビサイトを使って、自分の知っている企業を中心に応募します。

インターシップという名の会社説明会+プチ仕事体験に応募したり、社名で検索したり、リコメンドされる企業に応募したり。

マジョリティは就職ナビサイトなんです。ただ、就職ナビで大手中心に応募して、一通り落ちた後の、就活後半戦は、キャリアセンターに来た求人で結局決まっている、という流れがあるんです。

――これは昔も今も変わらないでしょうか?

常見さん:景気の変動などの影響もあるものの、この20年くらいは変わらない傾向ですね。就活の初期段階ではほとんど就職ナビサイトで、大学の求人には見向きもしない。

だけど明らかに就活の後期段階では大学求人に移行してるんです。しかも、大学のキャリアセンター職員が「君なら受かるよ」「君にはあっていると思うよ」などとアドバイスをくれる。

言いたいのは、就活におけるマッチングアプリは就職ナビサイトなのですが、全員が決まるわけではないという残酷な事実です。

大手ナビでも、今よりも影響力のあった20年くらい前に、登録者の3割程度しか決まっていないという現実がありました。

――かたちが変わったとは言え、いる人は変わりませんし。あと就職も恋愛も共通しているのは、相手あってのもの。

でも、こうアピールしなきゃいけないとか、そういったこと自分のことで頭がいっぱいになってしまう人が多いですよね。

常見さん:相手のことは考えないですよね、考える余裕がないし。それこそ試験に落ちるか落ちないか、大学合格と同じように接してしまっていますよね。

――絶対的に自分の点数が高ければ通るんだ、みたいな感覚ですよね。就活では違うし、恋愛でも絶対に違うわけです。

いくら恋愛の経験を積んだとしても、それは無意味で。相手がどう思うかを理解しようとしないとなりません。

常見さん:相手の視点がないとだめですよね。

――そこがうまい人が恋愛の強者だし就活の強者だと思います。

なぜ恋愛の格差は生まれたのか…?

なぜ恋愛の格差は生まれたのか…?

――相手の視点になれる人間が少ないから格差が出ているのでしょうね。

常見さん:格差は拡大しているんでしょうかね。昔はなぜ、格差という話をしなかったのでしょう?

――様子が見えなかったからだと思います。ネットも携帯電話もないし。プロフィールが見えてくると本当にマッチングアプリって残酷だなと。

常見さん:それには、すごく興味があって。機械が判断してベストな人を推薦するという、結局そこはプロフィールがものを言うんですよね。

――そうです。どこまで見ているか分かりませんが、やりとりは絶対に、見ているかもしれませんが。最初に出てくるのは絶対にプロフィールの言語情報と視覚情報、顔だと思うので。

自分を客観視できない人が多い

常見さん:就活でも、行きたい業界みたいなものがあるけれど、好みのタイプなるもの自体が幻想なのではないかと思います。

――おっしゃるとおりです。恋愛相談をするときに相手の好みのタイプを必ず聞きますが、言うのはみんな一緒なんです。

金銭的に裕福か、あとは優しいとか。これには原因があると思っています。まず相手の好みを客観視できていない。

少し残酷な質問を毎回しています。相手はあなたのどこがいいと思いますか?と。

常見さん:それ大事ですよね。

――今まで付き合った相手は、あなたのどこがいいと言いましたか?と。それに答えられる人はあまりいないんです。

常見さん:それは面接のときの質問ですよね。あなたの強みは?とか聞くけれど、それはそれで意味がないわけではない。

でももっと重要なのは、周りの人はあなたをどう評価しますか?とか、今までの職場であなたは何を評価されていたと思いますか?というような、客観的な情報ですよね。

――遠回しな言い方になってしまいますが、自分のことが分からないから、そもそも相手がどういうところがいいと思うか分からないというのが、思うところです。

恋愛も就活も、「相手の立場」になって考えることが大事なのですね。仕事ができる人は恋愛でもモテることが多いですが、今回の取材でその理由がわかりましたね。

常見さん、本当に長い時間ありがとうございました!

(愛カツ編集部)

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常見陽平(つねみようへい)

千葉商科大学 専任講師、働き方評論家

HR総研客員研究員、ソーシャルメディアリスク研究所客員研究員、株式会社クオリティ・オブ・ライフフェロー。1974年生まれ。北海道札幌市出身。

一橋大学商学部卒業。同大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。リクルート入社。玩具メーカー、人材コンサルティング会社を経てフリーランス活動をした後、2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。執筆、講演、メディア出演などマルチに活動中。