「恋人が欲しいですか?」との問いに、37.6%が「欲しくない」と回答「趣味に力を入れたい」が45.1%

<「若者の恋愛離れ」を考える 「割に合わない嗜好品に」>というタイトルで、20代30代の恋人がいない未婚者への内閣府調査の結果が、朝日新聞デジタルに掲載されていました。

「恋人が欲しいですか?」との問いに、37.6%が「欲しくない」と回答しています。欲しくない理由(複数回答)は、「恋愛が面倒」がもっとも多く46.2%。ついで「趣味に力を入れたい」が45.1%……と続きます。

「恋人が欲しいですか?」との問いに、37.6%が「欲しくない」と回答「趣味に力を入れたい」が45.1%

■引っかかる「趣味に力を入れたい」

次点が「仕事や勉強に力を入れたい」32.9%。「恋愛に興味がない」28.0%。「友人との時間が大切」15.4%。「恋愛するのがこわい」12.9%。

仕事や勉強に力を入れたいから恋人が欲しくない(欲しいと思えない)というのは、おそらく、なんらかに真剣に取り組んだ経験のある人は、共感できるかもしれません。真剣にやっていると、おのずと、どう頑張っても時間がなくなり、かつ、脳内が仕事や勉強のことでいっぱいになり、恋愛が2の次、3の次、4の次になる。こういう時期があってもおかしくないし、むしろこういう時期を持たないと、仕事も勉強も真に身につかないでしょう。

引っかかるのは「趣味に力を入れたい」です。あなたのまわりに趣味に力を入れている人って、どれくらいいますか? たとえば週末ごとに釣りばかりしていて、買い物といえば釣道具、行く場所といえば釣り道具屋さんか海か川、という感じで、趣味に「力を入れている」人って、どれくらいいますか?

■恋愛がこわいから、趣味に逃げている

恋愛がこわいから、趣味に逃げている若者
先日会った、見るからに草食系と見える若い人たちは「今、彼女(彼氏)はいません。でも、恋愛したいです」と言いました。その前に話を聞かせてくれた若い人たちは、「女子だってひと目惚れするし。彼氏がいなくても恋したいとくらい思っているし」と、吐き捨てるように言いました(怒られました)。

現場の声を聞いていると、「恋愛するのがこわい」12.9%――この12.9%の人たちが、もっとも正直にホンネを吐露しているように感じます。
つまり「趣味に力を入れたい」は、「恋愛がこわいから、趣味に逃げている」ということではないかと考えられるのです。趣味に力を入れている理由が「恋愛(つまり人)がこわいから」ではないか?

たとえば趣味に力を入れていた人が、彼氏(彼女)を得たら、あれだけ熱心にやっていた趣味を放り出してパートナーに集中する、というのは、よくあることではないでしょうか。

■若者たちの恋愛離れの原因

恋愛とは生身の人間どうしのふれあい、つまり恋愛がこわいというのは、上にかっこ付きで書いたように、人がこわいということを意味するように思います。

とくに最近の若い人は、以前にも増して管理が厳しい社会で育っています。学校でも先生が「こうしなさい」と言ったこと以外のことをやれば怒られ、怒られたら子供どうしでいじめ、いじめられ……大学に生きたくなくても就職予備校としての大学に進学しないと社会からおちこぼれのレッテルを貼られ、ゆえに管理する側に対して、しれっとした態度しかとりたくないと思う(これをやっとけばいいんでしょ? 的な)

……このように育った人に「人とは、あなたが思っているよりいいものです。決してこわいものではありません」と、いくら説いたところで、厳しく管理されてきて自分自身すら信用できない若者が、おいそれと人を信じるわけがない。ゆえに恋愛がこわいという意見は重い。

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現場で若い人の話を聞いていると、しばしば胸が苦しくなります。若い人たちとよくよくつきあえば、みんないい人なんです。「人を信じたい、でも人がこわい」という葛藤がダイレクトに伝わってきます。

若者の恋愛離れについて「スマホがあるゆえ、いつも人とつながっているから」とか「恋愛以外にゲームなど楽しいことがあるから」などということを、しばしばオトナたちは言います。でも、「人を信じたい、でもこわい」から、スマホやゲームに逃げているだけではないでしょうか。

「人を信じたい、でもこわい」から、スマホやゲームに逃げているだけ

「人って、ええもんやで、ま、今日はみんなで飲みに行こか」

こういうオトナたちの言葉が、世間で聞かれなくなって久しいと思わないですか?若者たちの恋愛離れの原因は、わたしたちオトナのあり方にあるのではないでしょうか。(ひとみしょう/文筆家)

(愛カツ編集部)

※参考・引用 「若者の恋愛離れ」を考える 「割に合わない嗜好品に」(朝日新聞DIGITAL)